タイヤの空気圧入れすぎは危険!バーストなど4つのリスクと唯一の対処法

タイヤの画像に「タイヤ空気圧入れすぎ4つのリスクと唯一の対処法」と文字を入れたもの

タイヤの空気圧は、ドライバーにとって命綱も同然です。

ちょっとした油断が思わぬトラブルにつながることもあります。

空気圧の入れすぎは、バーストなどの危険性が高まります。

この記事では、タイヤの空気圧を高く入れすぎると、なぜ危険なのか、どうすればよいのかを解説します。

万が一空気圧を入れすぎた場合の対処法も紹介しますので、安全なドライブのためにぜひご一読ください。

この記事にはプロモーションが含まれています。

この記事のまとめ

タイヤの空気圧を入れすぎると、以下の3つのリスクがあります。

  • タイヤバーストのリスク
  • スリップしやすくなるリスク
  • 乗り心地が悪くなるリスク
  • タイヤの摩耗リスク

これらのリスクを防ぐためには、空気抜きを行い、適正な空気圧に調整することが唯一の対処法です

目次

1 タイヤ空気圧高く入れすぎた場合の4つのリスク

具体的なリスクは、次の4つです。順に説明します。

1-1 タイヤバーストのリスク

タイヤの空気圧が高すぎると、タイヤ内部の空気が過度に膨張し、タイヤが耐えきれずにバーストしてしまう可能性があります。

バーストとは、走行中に急速にタイヤが破壊されることです。

特に、高速走行時や暑い日にバーストするリスクが高まります

なぜバーストするのか?

原因①:タイヤの構造

タイヤは、内部の空気をゴムで覆った構造になっています。タイヤの素材が耐え切れないほど空気圧が高まると、ゴムが限界を超えて破裂してしまうのです。

原因②:高温の影響

高速走行時などは、路面とタイヤの摩擦によってタイヤ内部の圧力が高まります。特に、暑い日は、高くなった空気圧によって、タイヤの柔軟性が失われ、外部からの衝撃に弱くなります。

バーストが起きたらどうなる?

結果①:車両の制御不能

バーストすると、車両の制御が困難になり、大事故につながる可能性があります。

結果②:車両に重大なダメージ

バーストしたタイヤが他の車両にぶつかるなど、ホイールだけでなく、足回りの部品を痛めてしまいます。場合によっては、車体本体に重大なダメージを与えてしまいます。

1-2 スリップしやすくなるリスク

タイヤの空気を高く入れすぎると、スリップ事故を起こしやすくなります。

特に、雨や雪の日のように路面の摩擦力が減ったときには要注意です。

なぜスリップしやすくなるのか?

原因①:グリップ力の低下

空気圧が高すぎると、タイヤの接地面が中央部に集中し、タイヤと路面の接地面積が少なくなります。このため、タイヤと路面の摩擦力が少なくなり、タイヤのグリップが低下するのです。

原因②:衝撃吸収性の低下

空気圧が適正範囲を超えると、タイヤの弾力性が低下し、路面からの衝撃を十分に吸収できなくなります。これにより、路面の凹凸や障害物に対するタイヤの接地力が不安定になり、スリップしやすくなります。

スリップするとどうなるのか?

結果①:車両の制御を失う

スリップが発生すると、車両の制御を失う可能性が高まります。車両が意図しない方向に進んでしまい、他の車両や障害物に衝突するリスクが増大します。

結果②:交通事故のリスク

スリップによって車両が突然停止したり、スピンしたりすると、後続車や対向車との衝突事故が発生するリスクが高まります。特に、悪天候時にはスリップによる交通事故のリスクがさらに増加します。

このようにタイヤの空気が過剰に入っていると、大きな事故につながりかねません。

1-3 乗り心地が悪くなるリスク

事故のリスクだけでなく、普段の使い方でも支障ができてます。まず、乗り心地が悪くなります。

なぜ乗り心地が悪くなるのか?

原因①:タイヤの硬さ

空気圧が高すぎるタイヤは、硬くなりすぎてしまい、路面からの衝撃を十分に吸収できなくなります。これにより、走行中に路面の凹凸や段差を直に感じるようになり、車内の振動が増加します。

原因②:空気層の衝撃吸収性の低下

過剰な空気圧はタイヤ内部の空気層を圧縮しすぎるため、本来の衝撃吸収機能が失われてしまいます。空気層が衝撃を吸収できないと、路面からの振動や衝撃が車内に伝わりやすくなり、乗り心地が悪化します。

乗り心地が悪くなるとどうなるのか?

結果①:乗員の疲労

乗り心地が悪いと、長時間の運転では疲労感が増し、運転に集中できなくなります。また、同乗者も不快に感じるため、快適なドライブを楽しむことができなくなります。

結果②:車両の部品の消耗増加

サスペンションやシャシーなどの車両部品に対する衝撃が大きくなり、これらの部品が早く劣化・消耗するリスクが高まります。結果的に、車両のメンテナンスコストが増えたり、修理の頻度が多くなったりすることがあります。

さらにリスクは続きます。

1-4 タイヤの摩耗リスク

タイヤの空気圧が高く、入れすぎの状態の最後のリスクは、タイヤの摩耗が早まることです。

なぜ摩耗が早まるのか?

原因①:接地面の偏り

空気圧が高いと、タイヤが硬くなり、路面との接地面が中央部に集中します。そのため、中央部だけが過度に磨耗し、タイヤの寿命を縮めてしまうのです。

原因②:高温による劣化の促進

空気を過剰に入れるとタイヤが硬化し、路面との接触による摩擦や内部の熱が増加します。この熱の蓄積によりタイヤ内部のゴムや素材が劣化しやすくなります。

摩耗が進むとどうなる?

結果①:タイヤの寿命が短くなる

タイヤの寿命が短くなると、通常よりもタイヤ交換の頻度が増えて、結果的に経済的な負担が増えます。

結果②:安全性の低下

摩耗が進んだタイヤは、バーストにつながってしまうこともあります。また、グリップ力が低下するため、スリップしやすくなるなど、安全な走行に影響してします可能性があります。

このように経済的にも弊害がありますので、くれぐれも空気の入れすぎには注意しましょう。

2 タイヤ空気圧の適正値の保ち方

タイヤの空気圧を高く入れすぎないようにするために、どのようにすればよいのでしょうか。

適正値の保ち方について説明します。

2-1 タイヤ空気圧の確認方法

ポイントは次の2つです。

ポイント①:冷たいタイヤで測定

タイヤの空気圧は走行することによって上昇していきますので、走行した後では、正確な数値が測れません。運転前や走行後少なくとも3時間経過後に測定するようにしましょう。

ポイント②:空気圧計で測る

自分で空気圧計を用意して測る方法と、ディーラーやタイヤ専門店、ガソリンスタンドなどにある空気圧計で測る方法があります。最も手軽なのは、給油の際、ガソリンスタンドで測定する方法です。通常、給油すれば無料で測定できます。

2-2 タイヤ空気圧の適正値の見方

タイヤ空気圧の適正値の確認先

確認先①:車両の取扱説明書

車両メーカーが推奨する空気圧が取扱説明書に記載されています。詳細に記述されていますので、ここをチェックするのが確実です。

確認先②:運転席ドア付近のステッカー

ドアを開けた内側やピラー部分に、適正空気圧が表示されたステッカーが貼付されています。見落としがちですが、注意深く確認すると、ほとんどのクルマには貼ってあります。

タイヤに記載されている数値は適正値ではないので注意

タイヤのサイドウォールにも、空気圧の表示があります。しかし、これは、最高圧力(タイヤの限界圧力)であり、適正値ではないことに注意してください。

2-3 タイヤ空気圧の許容範囲(上限値)

乗用車用のタイヤの大半は、指定空気圧が200kPaから280kPaとされています。

これを前提にした場合の適正値は以下のとおりです。

タイヤ空気圧の上限値:指定空気圧の+20kPa

乗用車なら+5%であれば問題ないと考えておけばよいですね。

2-4 空気圧の確認頻度

タイヤの空気圧を確認する頻度は、「月に1回」の定期チェックがおすすめです。

特に、寒くなると低下する傾向がありますので、秋や冬の季節にはこまめに確認する習慣を付けることが望ましいです。

3 タイヤ空気圧を高めにする場合のメリットデメリット

タイヤの空気を入れすぎず、許容範囲の中で「高め」程度に設定することで、デメリットだけでなく、メリットもあります

以下に、そのメリットとデメリット、そして高速道路での空気圧調整の必要性についてまとめました。

3-1 タイヤ空気圧を高めにする場合のメリット

メリット①:燃費向上

空気圧が高めの場合、タイヤの接地面積が減少し、転がり抵抗が小さくなります。その結果、燃費がわずかに向上する可能性があります。

メリット②:高速道路での安定性の向上

空気圧が高いと、タイヤのたわみが減り、タイヤと路面の接地が安定することで、ハンドリング性能が向上する場合があります。特に高速走行時の安定性が増すことがあります。

3-2 タイヤ空気圧を高めにする場合のデメリット

一方、仮に空気を入れすぎではなくとも、空気圧を高めに設定する場合には、デメリットもあります。

デメリット①:乗り心地の悪化

タイヤが硬くなることで、路面からの衝撃を吸収しにくくなり、乗り心地が悪くなります。

デメリット②偏摩耗のリスク

空気圧が高いと、タイヤの中央部分が過度に摩耗する「偏摩耗」が発生しやすくなります。

デメリット③:グリップ力の低下

接地面積の減少により、特にウェット路面でのグリップ力が低下し、制動距離が伸びることがあります。

3-3 高速道路でタイヤ空気圧を高くする必要性

カーメーカーが決める車両指定空気圧に設定頂き、高速道路を走行する際に空気圧を上げる必要はありません。

尚、自然漏れによる空気圧低下を考慮して、車両指定空気圧を基準とし、0~+20kPaの範囲内で調整・管理することをお奨めします。

引用元:ブリヂストン公式サイト

以上がブリヂストンの公式見解です。

昔から高速道路ではタイヤの空気圧を高めに設定した方が良いと言われていましたが、現在ではタイヤの品質が上がっているため、その必要性はありません。

ただし、車種や積載状況によっては、メーカーが高速走行時の空気圧調整を推奨している場合もあります。

最終的には、車両の取扱説明書や自動車メーカーの指示に従いましょう。

4 タイヤ空気圧を入れすぎた場合の唯一の対処法

タイヤの空気圧を入れすぎた場合、唯一の対処法は以下のとおりです。

タイヤ空気圧入れすぎ対処法:空気抜き

結局、入れすぎたら、抜く以外の方法はありません。

4-1 空気抜きの手順

STEP
空気圧を確認

 まず、前後4本のタイヤについて、現状の空気圧を空気圧計で測定します。

STEP
空気抜き

エアバルブの芯を押して空気を少しずつ抜いていきます。

STEP
適正値に調整

車の取扱説明書や運転席ドア付近のステッカーで確認した適正値に空気圧に調整します。

注意点としては、急激な空気抜きはタイヤがダメージを受ける可能性があるので、少しずつ空気抜きを行いましょう。

5 タイヤ空気圧が低くなった場合のリスク

タイヤの空気圧は、高すぎる場合はもちろんですが、逆に低すぎても問題があります。

タイヤの空気圧が低くなってしまった場合のリスクをまとめておきます。

リスク①:燃費の悪化

空気圧が低いとタイヤの接地面積が増え、転がり抵抗が大きくなるため、燃費が低下します。

リスク②:タイヤのバースト

空気圧が不足するとタイヤがたわみやすくなるため、タイヤの内部構造に負荷がかかり、変形や損傷によるバーストのリスクが高まります。

リスク③:操縦安定性の低下

空気圧が低いとハンドリング性能が悪化し、特に高速走行時や急な操作時に車両の安定性が損なわれます。

6 タイヤの空気圧に関するQ&A

タイヤの空気圧は、安全で快適なドライブのためにとても大切です。

ここでは、タイヤの空気圧に関するよくある質問とその答えをまとめました。

窒素ガスと空気を比較してどちらが良いですか?

窒素ガスは、空気よりも安定していて、空気圧の低下が少なく、タイヤの寿命が延びるというメリットがあります。しかし、大きな性能差とはいえないため、普通の「空気」でも十分という考え方もあります。どちらを選んでも問題ありません。

タイヤの空気圧は季節によって変える必要がありますか?

一般的には、季節によって大きく変える必要はありません。しかし、極端に気温が低い冬場など、空気圧が大きく変動する場合は、適宜調整が必要です。

車に荷物をたくさん積むとき、タイヤの空気圧はどうするべき?

空気圧を少し高めに調整することをおすすめします。重量が増えるとタイヤへの負担が大きくなるためです。欧州車などでは、メーカーが積載重量の多い場合には高めの空気圧に設定するようアナウンスしている場合もあります。

長期間タイヤを保存する場合、空気圧はどうすればいいの?

スタッドレスタイヤを保管する場合など、タイヤを長期間保存とき、タイヤの空気圧を指定空気圧よりも下げておくことをおすすめします。タイヤの空気圧を適度に抜くことで、タイヤへの負荷を軽減し、変形やひび割れを防止できます。また、タイヤの保管方法としては、ラックに乗せて地面と設置させずに浮かせるのが理想的です。

7 タイヤの空気圧入れすぎの4つのリスクと唯一の対処法のまとめ

タイヤの空気圧を入れすぎると、以下の3つのリスクがあります。

  • タイヤバーストのリスク
  • スリップしやすくなるリスク
  • 乗り心地が悪くなるリスク
  • タイヤの摩耗リスク

これらのリスクを防ぐためには、空気抜きを行い、適正な空気圧に調整することが唯一の対処法です

この記事を書いた人

クルマと共にするライフスタイルを追求するブロガー兼クルマ売買のアドバイザー
クルマがあるからこそ人生は素晴らしい。そんなクルマの魅力を伝えています。

「実際に見て触って使ってみる」をモットーに、カーアクセサリーの選び方やクルマの賢い売り方・買い方に関する情報を発信中。

クルマの売買に関するサポートや記事の監修なども行っています。

コメント

コメントする

目次