新型ジムニーノマド(5ドア)は、2025年1月下旬に日本での発売が見込まれているモデルです。
ジムニーファンにとって待望の5ドアモデルですが、気になるのはそのサイズですよね。
特に、シエラと比較してどのくらい大きくなったのかが最大の関心事の一つでしょう。
日本に導入されるこのモデルは、インドの工場で生産され世界10か国以上で販売されているため、サイズはすでに明らかになっています。
この記事では、ジムニーノマドのサイズを徹底的に比較し、シエラやフロンクスなど他の車種との違いを詳しく解説します。
大きくなったジムニーノマドですが、意外にも他の車種と比べるとコンパクトに見えます。
ジムニーノマドのサイズ感に迫ります。
この記事のまとめ
ジムニーノマド(5ドア)ボディサイズは3965×1645×1720mm(全長×全幅×全高)
- ジムニーノマド(5ドア)とシエラのサイズの違い
- ホイールベース:340mm延長
- 全長:415mm拡大
- 車両重量:105kg増加
- 最小回転半径:0.8m増加
- 荷室容量:126リットル増加
- 室内空間の違い
- 後席スペース拡大:足元空間が広く快適
- 荷室容量増加:2列目使用時でも広々
- 2列目格納時:フラットにならず段差が生じる
- 他車種との比較
- フロンクスより全幅が狭く全長が短い
- ライズ・ヤリスクロスよりも全長が短くコンパクト
- ジープ・ラングラーよりも圧倒的にコンパクト
結論
ジムニーノマド(5ドア)は、ボディサイズと室内空間を拡大しましたが、他のSUVと比較すると依然コンパクトで扱いやすいモデルです。
ジムニーノマドについてはこちらの記事もご覧ください。
1 ジムニーノマド(5ドア)のとシエラのサイズ比較
スズキ・ジムニーノマドは、インドのグルガオン工場で生産され、日本で輸入・販売されるいわゆる逆輸入車です。
そのため、ジムニーノマドは、世界で流通している「ジムニー5ドア」と同じ仕様となります。
ここでは、オーストラリア市場で販売されているジムニーXL(5ドア)とシエラの基本スペックを比較します。
1-1 ノマド(5ドア)とシエラの基本スペックの比較
両者の基本スペックを比較すると次の表のとおりです。
シエラ(JL・5MT) | ジムニー5ドア | 差異 | |
---|---|---|---|
乗員定員 | 4名 | 4名 | |
全長 | 3550mm | 3965mm | +415mm |
全幅 | 1645mm | 1645mm | |
全高 | 1730mm | 1720mm | -10mm |
ホイールベース | 2250mm | 2590mm | +340mm |
トレッド前/後 | 1395/1405mm | 1395/1405mm | |
最高出力 | 102ps(75kW) /6000rpm | 102ps(75kW) /6000rpm | |
最大トルク | 13.3kg/m(130N/m)/ 4000rpm | 13.3kg/m(130N/m) /4000rpm | |
種類 | 水冷直列4気筒 DOHC16バルブ | 水冷直列4気筒 DOHC16バルブ | |
総排気量 | 1460cc | 1462cc | |
燃料タンク容量 | 40L | 40L | |
使用燃料 | 無鉛レギュラー | 無鉛レギュラー | |
燃費(MT) | 15.4km/L (WLTCモード) | 6.4L/100km | |
トランスミッション | 4AT、5MT | 4AT、5MT | |
タイヤサイズ(前後) | 195/80R15 | 195/80R15 | |
車両重量 | 1080kg | 1185kg | +105kg |
最小回転半径 | 4.9m | 5.7m | +0.8m |
最低地上高 | 210mm | 210mm | |
アプローチアングル | 36° | 36° | |
ランプブレーク オーバーアングル | 28° | 24° | -4° |
ディパーチャーアングル | 47° | 47° | |
積載量 (背もたれ上げる) | 85L | 211L | +126L |
積載量 (背もたれ畳む) | 377L | 332L | -35L |
価格(5MT) | 2,084,500円 | 3,390,530円※ (34,990ドル) |
ボディサイズの拡大に伴う違いについて
エンジンは全く同じですし、基本的なデザインも変わりません。
しかし、ボディサイズが大きくなったことによって、ノマドとシエラの相違点は大きく4点あります。
- ボディサイズ
- 室内サイズ
- 対地障害角
- 荷室の広さ
こちらは、次のセクションで1つずつ見ていきます。
走行性能の違いについて
ボディサイズ以外にも、以下の点が変わりました。
- ホイールベースの延長(+340 mm)
- 車両重量の増加(+105 kg)
- 最小回転半径の増加(+0.8 m)
これらの違いによって、取り回しや走行性能に影響があります。
特に、最小回転半径の増加は、狭い場所でのUターンや切り返しなど、取り回しがしにくくなります。
また車両重量が増加したにもかかわらず、エンジン出力は変わらないため、加速や燃費性能では不利になると考えられます。
ジムニーノマドの燃費については、こちらの記事で詳しく解説しています。
次に、ノマドとシエラのボディサイズの違いを見てみましょう。
1-2 ノマド(5ドア)とシエラのボディサイズの違い
ジムニーノマド(5ドア)のボディサイズはシエラと比べてどの程度大きくなっているのでしょうか?
この図は、ジムニーシエラとジムニー5ドアのサイズを比較したものです。
全長やホイールベース、全高、全幅の違いが一目でわかるように、寸法図を並べて表示しています。
まず、フロントビューに違いはありません。
一方、サイドビューは大きく異なります。
ジムニー5ドアはホイールベースが340mm延長され、全長も415mm拡大されています。
そのため、2列目のドアだけでなく、荷室の窓(クォーターウィンドウ)が新たに設置されています。
また、フロントドアや窓の大きさについては、シエラの方が大きいことが分かります。
リアビューにも違いはありません。
一方、上面図で見ると、ルーフの面積が大幅に増えていることが分かります。
ルーフへの積載量が増加していることが窺えます。
両者のシルエットを比較してみます。
ピュアホワイトパールのジムニーシエラとグラナイトグレーメタリックのジムニー5ドアを重ねています。
まずは、フロント位置を揃えるとこのようになります。
全長で415mm大きいので、違いが明らかです。
ホイールベースも大きく延長されているのとが分かります。
画像を少しずらしてみると両者の大きさの違いが更にはっきりします。
視覚的に比較すると、ジムニー5ドアは後方に伸びたデザインで、全体的にゆったりとした印象を受けます。
両者の大きさに明確な違いがあることが分かりました。
次のセクションでは、悪路走破性に関わる「対地障害角」の違いを見ていきます。
1-3 ノマド(5ドア)とシエラの対地障害角の違い
ジムニーの走破性を語る上で欠かせないのが、対地障害角と最低地上高です。
悪路を走破する能力を左右する重要な要素になります。
ジムニーノマド(5ドア)の対地障害角と最低地上高は、このとおりです。
対地障害角には、以下の3つがあります。
ディパーチャーアングル
車両の後端が障害物を下る際の角度です。
ランプブレークオーバーアングル
車両の中央部が障害物を乗り越える際の角度です。
アプローチアングル
車両の前端が障害物に向かう際の角度です。
ジムニーシエラの対地障害角と比較してみます。
ジムニーシエラとジムニーノマド(5ドア)では、ディパーチャーアングルとアプローチアングルは、ほぼ同じです。
ちなみに最低地上高は全く同じです。
一方、ランプブレークオーバーアングルに違いが見られます。
ジムニーシエラが「28°」なのに対し、ジムニーノマド(5ドア)は「24°」と、「4°」低い数値です。
ランプブレークオーバーアングルが低いということは、車体中央部が障害物に接触しやすくなることを意味します。
しかし、「24°」という数値自体は特に低いわけではありません。
例えば、トヨタのRAV4(19インチタイヤ装着車)の対地障害角は次のとおりです(出典:トヨタ公式サイト)。
- アプローチアングル:18°
- ディパーチャーアングル:20.5°
- ランプブレークオーバーアングル:17.5°
ジムニーノマドは、RAV4と比較しても、十分な悪路走破性を持っていると考えて良いでしょう。
また、アプローチアングルとディパーチャーアングルは、ジムニーシエラとほぼ同等であるため、一般的な悪路走行性能はジムニーシエラと遜色ないと考えて良いでしょう。
1-4 ノマド(5ドア)とシエラの室内サイズ比較
ジムニーノマド(5ドア)とジムニーシエラは、外観だけでなく、室内空間にも大きな違いがあります。
特に、後席の広さは、アウトドアレジャーやファミリーユースを検討している方にとっては重要なポイントになるでしょう。
ジムニーノマド(5ドア)のインテリアです。
一方のジムニーシエラのインテリアはこんな感じです。
ご覧のように、ジムニーノマド(5ドア)の後席は、ジムニーシエラに比べて格段に広々としています。
ホイールベースが340mm延長されたことで、後席の足元空間が大幅に拡大し、大人でも十分に座れるようになりました。
1-5 ノマド(5ドア)とシエラの荷室のサイズと容量の違い
アウトドアレジャーやキャンプなど、荷物をたくさん積みたいという方には、荷室の広さも気になるところでしょう。
ジムニーノマド(5ドア)とジムニーシエラでは、荷室のサイズや使い勝手にも大きな違いがあります。
まず、こちらがジムニーシエラのトランクルームです。
2列目を起こした状態でのトランクルームの奥行きサイズは、240mmにとどまっています。
容量は、85リットルしかありません。
一方、ジムニーノマド(5ドア)では、このようになります。
2列目を起こした状態でも荷室の奥行きがジムニーシエラと比較して367mmもサイズが拡大されています。
さらに、荷室のフロアも高さも117mm下がっているので、荷室の容量が211リットルまで拡大されています。
一方、ジムニーシエラの2列目を倒した場合には、フラットな荷室空間が確保されます。
これによって、ジムニーシエラを2人乗りと割り切ってしまえば、使い勝手良い荷室になります。
一方、ジムニーノマドは、2列目を倒した場合、大きな段差が生まれるため、使い勝手は良くありません。
ジムニーノマド(5ドア)は、ホイールベースの延長により、荷室の広さが大幅に拡大しました。
しかし、2列目のシートを倒してもフラットな荷室空間とはならないため、車中泊などのシチュエーションでは、何らかの工夫が必要になります。
ただし、ジムニーはもともと、カスタムするのが醍醐味のクルマです。
今後、ジムニーノマドの荷室をフラットにできるアクセサリーが発売されると予想されます。
気になる方は、そのようなカスタムで対応する方法もあります。
2 ジムニーノマド(5ドア)とフロンクスのサイズ比較
ジムニーノマド(5ドア)のサイズは、他のコンパクトSUVと比較するとどうなのでしょうか?
2024年にデビューしたスズキのコンパクトSUV「フロンクス」と比較し、そのサイズ感の違いを見ていきましょう。
2024年10月に発売されたスズキ・フロンクスは、スタイリッシュなデザインと扱いやすいコンパクトなボディサイズが特徴のSUVです。
フロンクスのボディサイズは3995×1765×1550mm(全長×全幅×全高)と、コンパクトカー並みの取り回しの良さが魅力です。
フロンクスとジムニーノマド(5ドア)を比較すると、ジムニーノマド(5ドア)の方が全幅が狭く、全長も短いことがわかります。
上面図で比較すると、ジムニーノマドの細身のボディと全体的なサイズ感の違いが分かります。
フロンクスより一回り小さいサイズです。
ジムニーノマド(5ドア)は、シエラと比較して大きくなったとはいえ、そのベースは軽自動車であるため、コンパクトSUVと比較しても、更にコンパクトなのです。
3 ジムニーノマド(5ドア)と他の車種とのボディサイズ比較
ジムニーノマド(5ドア)のボディサイズを他の車種と比較すると、どうなるでしょうか?
トヨタ・ライズ、ヤリスクロスとの比較です。
全高はジムニーノマド(5ドア)が一番高いです。
しかし、全幅は、具体的な数値を比較するまでもなく、視覚的に他のコンパクトSUVよりも一回り小さいのが分かります。
全長を比較しても、ジムニーシエラを大幅に延長したボディでありながら、3車種の中で最も短いです。
最後に、ジムニーは、その用途やデザインからジープ・ラングラーと比較されることがありますので、この2者の比較です。
どちらも本格的なオフロード性能を備えたSUVですが、ボディサイズには大きな違いがあります。
ジムニーノマド(5ドア)は、ラングラーと比べると、全長、全幅、全高ともにかなりコンパクトで、まるで大人と子供のようです。
4 ジムニーノマド(5ドア)サイズ徹底比較まとめ
ジムニーノマド(5ドア)は、ジムニーシエラの派生モデルとして、4人の大人が不自由なく乗ることができ、荷物も積載できる魅力的なクルマです。
ノマドのサイズを徹底的に比較した結果は、次のとおりでした。
この記事のまとめ
- ジムニーノマド(5ドア)とシエラのサイズの違い
- ホイールベース:340mm延長
- 全長:415mm拡大
- 車両重量:105kg増加
- 最小回転半径:0.8m増加
- 荷室容量:126リットル増加
- 室内空間の違い
- 後席スペース拡大:足元空間が広く快適
- 荷室容量増加:2列目使用時でも広々
- 2列目格納時:フラットにならず段差が生じる
- 他車種との比較
- フロンクスより全幅が狭く全長が短い
- ライズ・ヤリスクロスよりも全長が短くコンパクト
- ジープラングラーよりも圧倒的にコンパクト
結論
ジムニーノマド(5ドア)は、ボディサイズと室内空間を拡大しましたが、他のSUVと比較すると依然コンパクトで扱いやすいモデルです。
この記事がジムニーノマドに興味のある方の参考になれば幸いです。
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