新型ジムニーノマド、その魅力は内装にあり!
5ドア化で広々とした空間を手に入れ、快適性が大幅アップ。
シエラからどの程度広くなったのか?車中泊は可能か?
気になるところです。
本記事では、ジムニーノマドとシエラのフロントシートや後部座席の広さ、荷室容量の違いを徹底検証します。
そして、車中泊派が気になる「床面はフラットになるのか?」との疑問にも答えています。
ジムニーノマドがあなたのライフスタイルに合ったクルマなのか、是非ご確認ください!
(更新履歴)
2025年1月28日: 1-2の表中に誤りがあったため訂正
2025年1月30日:スズキが公表した詳細なスペックを反映
この記事のまとめ
- フロントシート周り
- ノマドは、後部座席のパワーウィンドウスイッチがフロアコンソールに設置されているなど、細かな部分に違いが見られます。
- 後部座席
- ノマドは、シエラに比べて足元スペースが広く、大人でも快適に座ることができます。ただし、リクライニング機能の自由度はシエラの方が高いです。
- 荷室
- ノマドは、後部座席の背もたれを立てた状態では荷室容量が大幅にアップしますが、倒した状態ではシエラの方がフラットなスペースを確保できます。
- 車中泊
- 両車ともシートアレンジで簡易的なベッドスペースを作ることができます。ノマドはカスタムパーツを使うことで、フラットな床面を実現でき、より快適な車中泊空間にアレンジ可能です。
- 結論
- 車中泊には、両車とも使えますが、車内空間の広いノマドは、潜在力があるため、カスタム次第でより使い勝手がよくなりそうです。
ジムニーノマドについては、こちらの記事もご覧ください。
1 ジムニーノマド(5ドア)はどんなクルマ?
ジムニーノマド(5ドア)は、2025年1月30日に国内デビューした新型車です。
このモデルは、ジムニーファン待望の5ドア仕様であり、内装の快適性や広さが大きな注目ポイントの一つになっています。
まずはジムニーノマドの概要について触れておきます。
1-1 ジムニーノマド(5ドアの)とシエラのスペックなどの比較
ジムニーノマドとシエラはどのように異なるのでしょうか?
まずはスペックなど基本的なことを比較し、その特徴を掘り下げてみましょう。
シエラ(JL・5MT) | 5ドア(5MT) | |
---|---|---|
ドア数 | 3ドア | 5ドア |
乗員定員 | 4名 | 4名 |
全長 | 3550mm | 3890mm |
全幅 | 1645mm | 同左 |
全高 | 1730mm | 1725mm |
ホイールベース | 2250mm | 2590mm |
トレッド前/後 | 1395/1405mm | 同左 |
最低地上高 | 210mm | 同左 |
車両重量 | 1080kg | 1185kg |
最高出力 | 102ps(75kW)/6000rpm | 同左 |
最大トルク | 13.3kg・m(130N・m) /4000rpm | 同左 |
種類 | 水冷直列4気筒 DOHC16バルブ | 同左 |
総排気量 | 1460cc | 同左 |
燃料タンク容量 | 40L | 同左 |
最小回転半径 | 4.9m | 5.7m |
アプローチアングル | 36° | 同左 |
ランプブレーク オーバーアングル | 28° | 25° |
ディパーチャーアングル | 47° | 同左 |
積載量(背もたれ上げる) | 85L | 211L |
積載量(背もたれ畳む) | 352L | 332L |
ボディカラー | 11色 | 6色 |
両車のスペックを比較してわかるポイントは3つです。
- 両車とも1.5L直列4気筒エンジンを搭載
- 最高出力102PS、トランスミッションは5速MTと4速ATを選択可能
- フロントデザインやパワートレインの構成はシエラとほぼ同一です。
- ジムニーノマドは、全長・ホイールベースともに340mm拡大されています。
- シエラよりもサイズが拡大したため室内空間も広くなっています。
- 車両重量はノマドが約100kg重く、その分燃費ではシエラが有利
- ホイールベースが伸びたため、最小回転半径が4.9mから5.7mへの0.8m大きくなり、Uターンなどの取り回しではノマドは不利
- ジムニーシエラは国内の湖西工場で生産される一方、ジムニーノマドはインドのグルガオン工場で生産。
- 工場が異なるため、納車待ちが慢性化しているジムニーやジムニーシエラとは別枠で生産されることになります。
ジムニーノマドは、シエラの基本性能を引き継いでいますが、製造工場もインドとなるため、別車種と考えて良い面もあります。
次はボディカラーやグレード、そして価格の違いについて見ていきましょう。
1-2 ジムニーノマドとシエラのボディカラー・グレード・価格の違い
次にそれぞれのボディカラーやグレード、価格の違いを見てみましょう。
ジムニーノマド | ジムニーシエラ | |
---|---|---|
ボディカラー | 6色 | 11色 |
グレード | FCのモノグレード | JC、JLの2グレード |
価格(MT車税込み) | 265万円(FC) | 約208万円(JC) |
価格(AT車税込み) | 275万円(FC) | 約218万円(JC) |
ジムニーノマドのボディカラーは全6色
ジムニーノマドは、全6色が展開され、モノトーン4色と2トーン2色のバリエーションとなります。
- モノトーンカラー
- アークティックホワイトパール
- ブルーイッシュブラックパール4
- セレスティアルブルーパールメタリック
- ジャングルグリーン2
- 2トーンカラー
- シフォンアイボリーメタリック+ブラック
- シズリングレッドメタリック+ブラック
一方、ジムニーシエラは11色のボディカラーがあり、ノマドと共通するカラーは以下の3色のみです。
- ブルーイッシュブラックパール
- ジャングルグリーン
- シフォンアイボリーメタリック+ブラック
ジムニーノマドのボディカラーについての詳細は、関連記事をご覧ください。
ジムニーノマドのグレード
ジムニーノマドは、少なくとも発売当初は、「FC」というモノグレードです。
2026年にはハイブリッド仕様もラインナップに加わるという情報もあり、今後グレードが増えていく可能性がありそうです。
ジムニーノマドとシエラの価格の違い
ジムニーノマドとシエラの価格の違いは、約57万円です。
ジムニーノマドは、シエラに比べて約26~27%の価格アップ率となります。
しかし、他国で販売されているジムニー5ドアと比較すると、同じ車種でありながら、日本の価格は、最も低いレベルです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
次は、ノマドの内装や室内空間の広さをシエラと比較してみましょう。
2 内装デザイン比較:ジムニーノマド(5ドア)vs.シエラ
ノマドの内装デザインやハイライトである室内空間の広さは、シエラと比較してどうなのか詳しく見ていきましょう。
2-1 フロントシート周りの内装比較:違いはあるの?
ジムニーノマドとジムニーシエラのフロントシート周りには、以下の共通点と相違点があります。
フロントシート周りの共通点
共通点①:インパネやダッシュボードのデザイン
両車ともに同様のデザインを採用しており、スイッチ類の配置やフロントガラスからの視界に大きな違いはありません。
共通点②:全体的な質感もシエラと同様
プラスチックを多用したマテリアルや仕上がりはシエラと大差なく、装備の配置や部品の細部までほぼ共通しています。
フロントシート周りの相違点
一方のジムニーノマドとシエラのフロントシート周りでの違いは以下のとおりです。
相違点①:Bピラーの位置
ジムニーノマドは、後席ドアが取り付けられているため、Bピラー(前席と後席の間にある柱)の位置がシエラより前方にあります。
シエラでは、ノマドよりも10センチ程度前方にBピラーがあるのがお分かりいただけるかと思います。
このため、ジムニーノマドでは、運転席側のドアが小さく視界が多少狭くなります。
相違点②:リアパワーウィンドウスイッチの位置
フロントシート用のパワーウンドウスイッチはシエラと同様にダッシュボードに設置されています。
しかしながら、後部座席のパワーウンドウスイッチは、フロアコンソールに配置されています。
前席と後席のスイッチ位置が異なるのは、珍しいですが、この位置なら助手席からも操作できそうです。
以上が、フロントシート周りの共通点と相違点です。
2-2 後部座席の広さと内装の比較:成人男性でも快適に座れる?
後部座席の快適性は、ジムニーノマドとシエラで大きく異なります。
ジムニーシエラの後部座席
従来の3ドアモデルであるシエラの後部座席は、正直なところ大人2人が快適に座れるスペースとは言えません。
特に足元スペースが狭く、長時間の乗車は厳しいと言えるでしょう。
ジムニーノマド(5ドア)の後部座席
一方、ノマド(5ドア)の後部座席は、大幅に広がった空間となっています。
特に足元スペースは、大人でも座れる程度の余裕があります。
これは、ノマドが5ドアモデルとなり、ホイールベースが340mm長くなったことによる恩恵といえるでしょう。
座面も肉厚のあるクッションが採用されているため、座り心地もシエラよりも優れています。
ただし、後席のリクライニング機能に関しては、注意が必要です。
シエラには背もたれの角度を自由に調整できるリクライニング機能が備わっています。
一方、ノマド(5ドア)は2段階のリクライニングしかできず、調整範囲が限られています。
画像に映っている赤い金具(背もたれを固定する部分)によって、シートの角度は2段階のみ調整可能となっています。
調整段数が少ないだけでなく、角度の調整幅も数センチ程度に限られています。
そのため、後席のリクライニング機能に関しては、ジムニーノマドよりもシエラの方が自由度が高いと言えるでしょう。
ジムニーノマドにはこのような制約があるものの、後部座席の快適性においては座面や空間が広く、シートも肉厚であるため、シエラよりも優れていると考えられます、
次に、荷室を比較してみましょう。
3 荷室容量と使い勝手比較:ジムニーノマド(5ドア)vs.シエラ
ジムニーノマド(5ドア)とジムニーシエラの荷室容量と使い勝手を比較してみましょう。
5ドア化により、ノマドは後席だけでなく4人乗車時の荷室スペースも拡大しています。
その増加量や使い勝手の向上について詳しく見ていきます。
3-1 荷室容量の比較:どちらが多いの?
以下の表に、ジムニーシエラとジムニーノマドの荷室容量をまとめました。
ジムニーシエラ | ジムニーノマド | 差異 | |
---|---|---|---|
積載量 (背もたれ上げる) | 85L | 211L | +126L |
積載量 (背もたれ畳む) | 352L | 332L | -20L |
荷室容量は、後部座席の背もたれを立てた状態では、ノマドがシエラよりも126Lも大きくなっています。
ジムニーシエラの4人乗車時の積載性はこの写真のとおり、かなり厳しい状況です。
ジムニーシエラでは、奥行き(荷室床面長)が240mmしかありません。
また、荷室の床下に収納スペースがあるため、床面がラゲッジスカッフプレート(上がりかまち部分)よりも10㎝ほど底上げされています。
一方、ジムニーノマド(5ドア)では、奥行き(荷室床面長)が590mm確保され、床面も低いため容量が大きく、使い勝手も良いデザインとなっています。
床面は、ラゲッジスカッフプレート(荷室入口の底辺)の位置よりも低い位置に設定されています。
比較すると、ジムニーノマドの床面は、シエラよりも117mm低く設定されています。
このため、4人乗車時に多くの荷物を載せる必要がある場合には、ノマドの方が圧倒的に有利と言えるでしょう。
ファミリーユースやキャンプなど、様々なシーンで活躍してくれるはずです。
一方、後部座席の背もたれを倒した状態では、シエラの方が積載量が多いという結果になりました。
これは、VDA方式という国際的な測定方法では、床面から背もたれの上段までの積載量を測るため、座面と背もたれのボリュームがあるノマドの方が不利に働くからです。
つまり、2名までの乗車であれば、シエラの方が大きな荷物も積むことができ、積載性が高いと言えるでしょう。
次は、後席の背もたれを畳んだ状態での使い勝手について詳しく見ていきましょう。
3-2 後席を畳んだ時の使い勝手比較:ノマドはフラットにならない?
シエラは、後部座席の背もたれを倒すと、荷室の床面がフラットになり、大きな荷物も積みやすくなっています。
床面は高くいわゆる上げ底になっていますが、床面がフラットで使い勝手が良い空間が生まれています。
一方、ノマドは、後部座席の背もたれを倒しても、完全にフラットにはなりません。
後部座席の座面と荷室の床面に段差が生じていることが分かります。
また、後席の背もたれを畳んでも、背もたれの裏側が斜めになったままとなっています。
つまり、段差があり、かつ背もたれの裏側が傾くという二重苦があるわけです。
これは、ノマドが後部座席の居住性を重視した結果、どうしても発生してしまうデメリットと言えるでしょう。
ただし、工夫次第でノマドの荷室をフラットにする方法も存在します。
その具体的な方法については、次のセクションで詳しく紹介します。
4 ジムニーノマド(5ドア)で車中泊ができるのか
ジムニーノマド(5ドア)の購入を検討されている方の中には、車中泊に使いたいと考えている方もいると思います。
しかし、後部座席を倒しても完全なフラットにはならないため、快適な睡眠スペースの確保が課題です。
ここでは、車内をフラット化するための2つの方法をご紹介します。
4-1 シートアレンジで座面をフラット化する方法
まずは、クルマに備わっている機能のみで、どの程度フラットにできるか試してみましょう。
ジムニーシエラのシートアレンジ
シエラは、フロントシートの背もたれを倒すと、後部座席の座面とほぼフラットになります。
後席のリクライニング機能もあるため、背もたれを倒せば快適な空間になります。
これにより、簡易的なベッドスペースを確保することができます。
ただし、細かい凹凸があるため、快適に横になれると言いにくいところです。
また、大人の男性の身長では長さが足りない場合もあるかもしれません。
ジムニーノマドのシートアレンジ
ノマドも同様に、フロントシートの背もたれを倒すことで、ある程度のフラットなスペースを作ることができます。
後席の足元空間が広がった分、シエラに比べると前後の長さには少し余裕があります。
しかし、後座の背もたれのリライニング範囲が限られているため、寝心地には限界がありそうです。
4-2 カスタムアイテムを使ってノマドの荷室をフラットにする方法
ノマドで快適な車中泊をするためには、カスタムアイテムの利用がおすすめです。
ニュージーランドのカスタム事例
ジムニー5ドアを先行して販売していたニュージーランドでは、ジムニー5ドア専用のカスタム製品が登場しています。
例えば、Skinny Jimの製品です。
ご覧のとおり、後席の背もたれを畳んだ状態で、荷室の床面と完全なフラット化に成功しています。
このとおり、荷室の床面をかさ上げしています。
また、後席を畳んだ際に生じる背面の傾きは、バンドを使ってクッションを締め付ける方法で解消。
これにより、ほぼフラットな床面が作られています。
このキット、価格は日本円にしておおよそ10万円。
多少割高に感じるかもしれませんが、床下収納としても使えることで、かなり実用的なアイテムと言えるでしょう。
このキットで後部座席より後ろの部分をフラット化すれば、フロントシートを倒すことで、大柄な男性でもゆったりと横になれるスペースが確保できそうです。
車中泊がもっと快適になること間違いなしですね!
日本国内で期待されるカスタムパーツ
日本でも、今後各アクセサリーメーカーからジムニー5ドア専用のカスタムパーツが続々と登場するでしょう。
特に、フロントシートから荷室までの床面をオールフラット化する製品や、後部座席の背もたれを調整・補正するアイテムなどが開発される可能性は高いでしょう。
こうした新しいアイテムが登場することで、ジムニーノマドの使い勝手がさらに向上することが期待されますね。
今後の展開に注目したいところです。
床面のフラット化で広がる可能性
ジムニーノマド(5ドア)はホイールベースがシエラより340mm長い分、床面をフラット化ができれば、より広いスペースを確保できます。
この特性を活かせば、シエラ以上に快適な車中泊空間を作り出せるポテンシャルがあると言えますね。
ただ、後部座席の居住性が高められている分、シートサイズが大きくなり、フラット化の障害になりやすいマイナス面もあります。
しかし、ここはカスタム次第!
この課題をクリアして床面をしっかりフラット化できれば、車中泊の快適性が一気にアップすることでしょう。
さらに、その広々とした空間は車中泊だけにとどまらず、キャンプやスノボ、マリンレジャーなど、さまざまなアウトドアシーンでも活躍しそうです。
まさに、ジムニーノマドならではの魅力ですね!
ジムニーノマドが広げてくれる今後の可能性に注目したいですね。
5 ジムニーノマド・シエラの内装比較とノマドで車中泊できるかのまとめ
この記事では、新型ジムニーの5ドアモデルであるジムニーノマドと、従来の3ドアモデルであるジムニーシエラの内装を比較しました。
この記事のまとめ
- フロントシート周り
- ノマドは、後部座席のパワーウィンドウスイッチがフロアコンソールに設置されているなど、細かな部分に違いが見られます。
- 後部座席
- ノマドは、シエラに比べて足元スペースが広く、大人でも快適に座ることができます。ただし、リクライニング機能の自由度はシエラの方が高いです。
- 荷室
- ノマドは、後部座席の背もたれを立てた状態では荷室容量が大幅にアップしますが、倒した状態ではシエラの方がフラットなスペースを確保できます。
- 車中泊
- 両車ともシートアレンジで簡易的なベッドスペースを作ることができます。ノマドはカスタムパーツを使うことで、フラットな床面を実現でき、より快適な車中泊空間にアレンジ可能です。
- 結論
- 車中泊には、両車とも使えますが、車内空間の広いノマドは、潜在力があるため、カスタム次第でより使い勝手がよくなりそうです。
ジムニーノマド(5ドア)は広い室内空間やファミリーユースでの利便性が光る一方、シエラも荷室のフラット性や後席リクライニングで魅力を発揮します。
車中泊には、両車とも使えますが、車内空間の広いノマドは、潜在力があるため、カスタム次第でより使い勝手がよくなりそうです。
それぞれの特性を理解し、用途やライフスタイルに合わせて最適な選択をしたいですね。
この記事がジムニーノマドやジムニーシリーズに興味がある方の参考になれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (2件)
1-2 ジムニーノマドとシエラのボディカラー・グレード・価格の違い
内容が違っています
sasa様
コメントありがとうございます。
表中の記載に誤りがございましたので、
直ちに訂正いたしました。
貴重なご指摘をいただきありがとうございました。
ショウ